▼オペラ/音楽劇研究所 2017年度10月研究例会(第165回オペラ研究会) 終了

※開催記録を掲載するまでの間、以下、事前公表情報を掲載いたします。

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◇日時:2017年10月7日(土)16:30-18:00

◇会場:早稲田大学早稲田キャンパス

    26号館(大隈記念タワー)1102会議室

    ※キャンパスマップ

 

◎どなたでも自由にご聴講いただけます。奮ってご参加ください。

 

◇内容:ドイツ語による講演会 通訳付き

◇講演者:ギュンター・ヘーグ 教授

◇講演題目:

「ベルカント・オペラにおける悲哀と夢の作業 ―ヴィンチェンツォ・ベッリーニのオペラ《ノルマ》・《夢遊病の女》・《清教徒》のシュトゥットガルト演出における過去の反復と現代の超越」

◇講演内容(予定)

  シュトウットガルト歌劇場においてゼルギオ・モラビトならびにヨッシ・ヴィーラーによって演出されたベッリーニ作品《ノルマ》・《夢遊病の娘》・《清教徒》の上演についての講演を行う。特にアンナ・フィーブロックによる舞台美術方面に力点を置きたい。

 

◇共催 慶應義塾大学文学部独文学専攻

 

◇講演者プロフィール:ドイツ・ライプツィヒ大学演劇学科教授

◇主要著書 

『トランスカルチャー演劇―反復のシーンと超越のジェスチャー』ベルリン, 2015年

『演劇学のスナップショット―ライプチヒ大学講義集』G.バウムバッハ他編, ベルリン, 2014年

『演劇の記述―ハイナー・ミュラーの文字の演劇』共編, ベルリン, 2009年

『自然の形姿の幻影―18世紀演劇における身体・言語・図像』フランクフルト・アム・マイン, 2000年

 

▼オペラ/音楽劇研究所 2017年度7月研究例会(第164回オペラ研究会) 終了

2017年7月29日研究例会  (C) 早稲田大学オペラ/音楽劇研究所
2017年7月29日研究例会 (C) 早稲田大学オペラ/音楽劇研究所

※開催記録を掲載するまでの間、以下、事前公表情報を掲載いたします。

 

◇日時:2017年7月29日(土)16:30-18:00

◇会場:早稲田大学 早稲田キャンパス 26号館(大隈記念タワー)1102会議室       

 

◇内容:研究発表

 発表者:吉江秀和

 題目:「18世紀末ロンドンにおけるヘンデルのイタリア・オペラ作品受容について」

 

◇ 発表要旨

 1759年に没したヘンデルの作品は、没後もオラトリオ作品を中心にロンドンの劇場や一部の演奏会で演奏され、出版も抜粋を主に再販を含めて継続された。そして、1784年のヘンデル記念祭が大成功を収めたのち、1776年の創設以来、ヘンデル作品をプログラムの軸とした演奏会の古楽コンサートの予約者数は増加し、1787年にはアーノルドによるヘンデル作品全集の刊行が開始されるなど、ヘンデル熱が1780年代中頃に高まった。そのような中、1787年にオペラ《ジューリオ・チェーザレ》が上演されたが、このオペラはヘンデルの他のオペラ作品のアリアなどに新たに歌詞を当てはめた、寄せ集めのパスティッチョ・オペラであった。ヘンデル時代のままのオペラ上演はおこなわれず、オペラ作品から抜粋されたアリアや重唱が演奏会のレパートリーに残るものの、徐々に演目が固定化される傾向が1790年代にみられた。

 そこで本発表では、1780年以降の古楽コンサートを中心に、ヘンデル記念祭とその後続の大音楽祭、オラトリオ・シリーズなどのプログラムで取り上げられたヘンデルのオペラ作品の傾向と同時期の出版譜の傾向をからめて、当時のヘンデルのオペラ作品のレパートリーの固定化の流れを追っていく。

 

◇ 発表者プロフィール

杏林大学、玉川大学、武蔵大学ほか非常勤講師

専門:18世紀イギリスにおける音楽受容

主要論文:「一八世紀末ロンドンにおけるモーツァルト受容 ― 招聘計画推進期を中心に ― 」(網野公一ほか編『モーツァルト スタディーズ』玉川大学出版部、2006年)、「18世紀末の古楽アカデミー ― サミュエル・アーノルドの指揮者就任の背景に関する一考察 ― 」(『音楽学』第58巻2号、2012年)、「1780年から1800年にかけての古楽コンサートのプログラムに見られるヘンデル作品の変化に関する一考察」(『杏林大学研究報告 教養部門』第33巻、2016年)

 

▼オペラ/音楽劇研究所2017年度6月研究例会(第163回オペラ研究会) 終了

◇日時:2017年6月17日(土)17:00-18:30

◇会場:早稲田大学 早稲田キャンパス 26号館(大隈記念タワー)1102会議室

 

◇内容:研究発表

 発表者:岩佐 愛

 題目:「ヘンデル・オペラの「イギリス性」~18世紀ロンドン劇場史の文脈から~」

 

◇発表要旨

 18 世紀前半のロンドンで長期にわたりイタリア・オペラ上演に携わったヘンデルの作品は上演時期から幾つかのグループに分けられる。発表では、王立音楽アカデミー設立以前にヘイマーケット劇場で上演された最初の作品《リナルド》、「第二次」アカデミー解散後にコヴェント・ガーデン劇場で上演された円熟期の作品《アリオダンテ》、同じ劇場主(ジョン・リッチ)の所有するリンカーンズ・イン・フィールズ劇場で初演された最後の作品《デイダミーア》をとりあげ、各作品の内包する「イギリス性」が考察された。まず、《リナルド》はイギリスの伝統音楽劇であるパーセル風セミ・オペラや劇場マスクから影響を受けたとされる。だが現在では疑問視されるスペクタクルの再現性、主題・演出に当時の戦況が影響を与えた可能性についても考慮の必要がある。次に《アリオダンテ》にはリッチの資源(合唱団・舞踊団)を活用した台本・演出の改変が見られる。確かに主題はアリオストの原作に沿うものだが、イギリス国内(エディンバラ)を舞台とする唯一のヘンデル・オペラとして、当時のロンドンで流行した「スコットランド風」(バラッド)オペラやリッチのパントマイム演出(音楽とスペクタクル性の重視)との関連も考慮する必要がある。また、《デイダミーア》の「非英雄オペラ」的性格は、1730 年代に興隆した「英語オペラ」に見られる古典的主題や英雄の風刺的扱い(バーレスク化)が独自台本や配役に反映された可能性がある。イタリア・オペラ(特に英雄オペラ)の基本形式を維持しつつ、 ロンドンでの上演環境(他の音楽劇演目や舞台設備)から取り入れられたと考えられる「イギリス的要素」は作品(及び上演時期)ごとに異なる。つまり、ヘンデル・オペラの「イギリス性」は何らかの共通性や一貫性を持つ形では立ち現れず、あくまで 18世紀ロンドン劇場史の文脈を反映した「適応」の一環として捉える必要がある。

 

◇質疑応答

 現代のミュージカルに(ヘンデル時代の)オペラが与えた影響、18 世紀後半に(ノヴェールらにより)フランスで発達することとなる「バレエ(パントマイム)」とマリ・サレやイギリスの「パントマイム」との間の影響関係、宮廷オペラ(劇場)を中心とする大陸(ヨーロッパ)の諸都市と複数の商業劇場でのオペラ上演を可能としたロンドンとの比較、ヘンデルの音楽ビジネスの手法(楽譜出版及び海賊版問題)等について議論が交わされた。

 

[参加者]17名

 

◇発表者プロフィール

武蔵大学人文学部准教授

専門:イギリス18世紀研究(美術史、諸芸術論、庭園美学)

関連著作:「ヘンデルの<エイシスとガラテア>初期上演史再考―上演形式の変遷とその政治的背景(1718-1733年)」(『日本18世紀学会年報』第20号、2005年);「捨子養育院における芸術と慈善 ― ヘンデルの<メサイア>慈善演奏会の背景」(『武蔵大学人文学会雑誌』第41巻、第3・4合併号 、2010年);「《アキレス》から《デイダミーア》へ:ヘンデルの「バーレスク」オペラ?」(日本ヘンデル協会公演プログラム、2017年) 

2017年6月17日研究例会 (C) 早稲田大学オペラ/音楽劇研究所
2017年6月17日研究例会 (C) 早稲田大学オペラ/音楽劇研究所

▼オペラ/音楽劇研究所2017年度5月研究例会(第162回オペラ研究会) 終了

◇日時:2017年5月20日(土)17:00 〜18:30

◇会場:早稲田大学早稲田キャンパス 3号館809教室

◇内容:講演会

 講演者:市瀬陽子

 題目:「古典舞踏とオペラ~舞踏会のダンスをめぐって」

 

◇発表要旨

 オペラ作品におけるダンスは、いかに聴衆にアピールするか。実体験を通してそれを感じ、共有し、オペラの新しい楽しみを知ってほしい。それが本発表の主眼である。取り上げた場面はモーツァルトの歌劇《ドン・ジョヴァンニ》第一幕の舞踏会、終幕で踊られる三つの舞曲-メヌエット、コントルダンス、ドイツ舞曲-が、ダンス実習のお題である。

 冒頭に、オペラにおけるダンスの役割を的確に捉えて効果的を挙げた上演であり、今回のテーマに結びつく例として、演出家 D.マクヴィガー、振付家 A.ジョージへのインタビューを紹介した(ヘンデル作曲《ジュリオ・チェーザレ》、グラインドボーン音楽祭、2005 年)。

 続いて三つのダンスそれぞれの歴史を概観し、振付資料について述べた。フランス宮廷の気品高いメヌエット、イギリスに起源を持つ社交的で楽しいコントルダンス、くだけた調子のドイツ舞曲はレントラーやワルツとの関連も指摘される。聴衆が理解した社会的な意味合いはもちろんのこと、それは多様な客層をそのまま反映した選曲ともいえる。

 メインとなるダンス実習は、積極的な参加を得て三つのダンスを全て踊ってみることができた。重なり合って演奏される三つの舞曲を、耳で聴き分けることは困難だろう。しかしダンスが解れば一目瞭然、客席の誰もが各々反応できたはずだ。そして舞踏会の場面は「観る」だけでなく、いわば「参加する」機会となり、聴衆に高揚感を与え、客席と舞台を繋ぐ重要な役割を果たす。オペラ研究会のフロアもまさに熱気に満ちて、その楽しさは十分に共有されたように思う。このような参加型の発表を好意的に受け止めて下さったオペラ研究会の先生方、参加者の皆様に、心より感謝を申し上げたい。

 

◇質疑応答

 ダンス実習に熱が入って質疑の時間をやや圧迫してしまったにも拘わらず、様々な角度から示唆に富んだ発言が数多く寄せられた。ダンスの振付や歴史に関わる質問、オペラを上演する現場あるいは人材育成における問題点、現代的な解釈を採用したバロック・オペラの演出・振付に対する見解など、オペラ上演の本質に関わる質問や意見が出され、研究と上演とを結ぶ、非常に活気ある意見交換の場となった。

 

[参加者]19名

 

◇講演者プロフィール

 舞踊史研究者、ダンサー、振付・演出家。聖徳大学音楽学部准教授、東京芸術大学講師。舞台作品“優雅な宴 les fêtes galantes”(1992/93)にてA.カンプラのバレエ作品を復活上演、バロック・ダンスを中心に出演作多数。近著に『バレエとダンスの歴史』(平凡社、鈴木晶編著、2012年)、DVD『時空の旅~バロックダンス・ファンタジー』解説(2010年レコード芸術特選版)。


2017年5月20日研究例会 (c)早稲田大学オペラ/音楽劇研究所

 

▼オペラ/音楽劇研究所2017年度4月研究例会(第161回オペラ研究会) 終了 

◇日時:2017年4月15日(土)17:00 〜18:30

◇会場:早稲田大学早稲田キャンパス 26 号館1102 会議室

◇内容:研究発表

 発表者:青木義英

 題目:『日露友好の懸け橋としてオペラがもたらす効果

    ――オペラ《光太夫》を題材として――』

 

◇発表要旨

 本発表ではオペラがもたらすソフトパワーの威力についてオペラを題材に検証してみた。外交上ハードパワーを行使することが許されない日本にとって切り札となるのはソフトパワーに頼ることである。特に外交上重要な時期である日露関係において、両国の懸け橋となる題材がオペラに隠されていることはあまり知られていない。オペラ《光太夫》について解説する。アゼルバイジャン出身ファルハンク・フセイノフ(1948-2010)作曲によるオペラ《光太夫》は江戸時代の蘭学者、桂川甫周(1826-1881)文献「北瑳聞略」に記録された当時の日本とロシア交流の壮大な記録にインスピレーションを受けた声楽家青木英子(1919-2010)により日本初の全編ロシア語で制作されたオペラである。主人公大黒屋光太夫が漂流苦難の末女帝エカテリーナ二世の勅許で帰国する物語は日露友好の懸け橋ともいえる内容となっている。これまで日本人を題材としたオペラで二国間の友情を題材をとしたものはなく、まさにこのオペラは日露両国のソフトパワー源泉の一つでもある交流を題材としたものである。我が国では 2006 年観光立国推進基本法が成立、その前文では観光は国民生活の安定を象徴するものであり、国際相互理解を増進するものと記されている。観光立国の目的は経済効果ばかりではなく文化・芸術によるソフトパワーの発揮であり、このオペラはその素材として新たな観光資源の構築にもつながり、ロシア人へのおもてなしのメッセージでもある。また 2018 年に日本政府が「ロシアにおける日本年」と題しロシア各地で、文化等のイベントを検討する中、発表者はこのオペラも検討課題として提案する予定である。

 

◇質疑応答

 上演が日本国内のみにとどまった経緯について質問があった。もともとは現地上演を視野に創

作されたがソ連崩壊に伴う混乱の影響で実現しなかった。しかし、オペラが大衆的人気ジャン

ルのロシアで、全編がロシア語で書かれ日本文化の諸相が随所に織り込まれている本作品を上

演することは日露間の相互理解と関係強化に直結する。現地初演が切望される。

 

[参加者]15名

 

◇発表者プロフィール

 1948年生まれ。1972年日本航空入社、労務部、総務部、客室企画部、マドリード支店等勤務

後、鈴鹿国際大学(現鈴鹿大学)人間科学部教授、和歌山大学観光学部特任教授を経て2015年より同大客員教授(現在)。オペラ「光太夫」制作者青木英子を助け構成・脚本の一部を担当した。 


2017年4月15日研究例会 (c)早稲田大学オペラ/音楽劇研究所

 

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